全国翻訳専門職資格試験の簡単な紹介

2019/6/30 11:25:18作者:中国外文局翻译专业资格考评中心来源:中国外文局翻译专业资格考评中心


一、翻訳専門職資格試験について

       全国翻訳専門職資格試験は国家人力(人的)資源・社会保障部の委託を受け、中国外文出版・発行事業局が責任を持ってそれを実施・管理する国家レベル職業資格試験であり、すでに国家の職業資格証明書制度に組み入れられ、全国で実行し、統一した、社会向けの翻訳専門職資格認証(審査・認定・登録)制度であり、受験対象者に対する通訳・翻訳のプロフェッショナルとしての能力とレベルを評価し、認定するのである。

       この試験を立ち上げた目的は我が国の経済発展とWTO加盟の要請に適応し、我が国の外国語翻訳専門職人材陣づくりを強化して、科学的、客観的かつ公正に翻訳専門職人材のレベルと能力を評価するとともに、翻訳市場の規範化をいっそうはかり、翻訳業界の管理を強化し、それによって国際ルールにしっかりとリンクして、我が国の対外開放に奉仕するのである。

新しい時代がわれわれに新しい歴史的使命を与えたが、それは国家の「一帯一路」建設・サービス、対外発言力体系整備と全面的な対外開放の大局に立脚し、より多くハイレベルの翻訳・通訳人材を全面的に選出し、新時代に国家の至急必要とする翻訳人材陣づくりを促すよう努めるのである。


二、試験の役割

翻訳専門職資格試験は国家の職業資格試験目録リストに正式に組入れた。試験の合格者は、国家の人的資源・社会保障部の統一的に発行される『中華人民共和国翻訳専門職資格証明書』を取得し、同証明書が中華人民共和国全国範囲内で有効である。

1、同資格証明書を授取得した人員が相応する翻訳専門職務に任命することができる。

       翻訳専門職資格試験は国家の職業資格証明書制度に正式に組み入れた。翻訳専門職資格証明書を得た上、条件に適う人員に対して、求人部門は必要に応じて相応の職務を任命することができ、同証明書と職務のリンク方式は、3級証明書を取得すれば翻訳助理(翻訳補佐)という職階を得て、2級証明書を取得すれば翻訳という職階を得て、1級証明書を取得すれば評議・審査を経て副訳審(助教授に相当)の職階を得て、更に評議・審査を経て訳審(教授に相当)の職階を得ることができる。

2、MTI(翻訳修士学位)の在学大学院生が、同試験の2級試験を受けなければならない。

       2018年末まで、全国のMTI(翻訳修士学位)教育プログラムのテストケースの250近くの教育機関に在学し、国家の関連政策の規定に基づいて「MTI(翻訳修士学位)の大学院生が、入学前に2級あるいは2級以上の翻訳専門職資格証明書を取得していない者は、在学期に必ず翻訳専門職2級の通訳あるいは翻訳試験を受けなければならない」。この政策に則って、同資格試験は全国翻訳修士教育学位委員会がMTI(翻訳修士)大学教育管理の品質モニタリング体系に組み入れるとともに、大学院生の2級試験に合格する状況を所在教育機関の翻訳専門職教育評価の重要な指標として組入れた。同時に、これも今後我が国の大学院生教育の発展・革新、大学院生育成モデルの変革の深化を促すために成功の経験を積んだ。

3、同資格証明書を取得する者は中国翻訳協会の会員を申請し、同協会の会員になることができる。

       中国翻訳協会は「全国翻訳専門職資格試験の3級以上の証明書を取得した者は同協会の会員を申請し、一般会員となることができる。全国翻訳専門職資格試験の1級以上の証明書を取得した者は、専門家委員会の会員を申請して専門家委員会の会員になることができる」。この政策の公布・実施後、多くの同証明書の取得者は同翻訳協会に加入し、新しい会員の加盟により中国翻訳協会が新たに活気づくようになる。

4、翻訳専門職資格証明書は招聘・採用の必須条件またはや優先条件となっている。

       現在、翻訳専門職資格証明書はすでに翻訳人材のレベルを評価する「国家規準」となり、全国の多くの翻訳求人の企業事業体が翻訳の招聘・採用にあたり、翻訳専門職資格証明書の取得を必須条件または優先条件とされ、翻訳の求人・採用は「依るべき根拠がある」ことを実現した。例えば、外文局、中译(中訳)公司などの翻訳の招聘では必ず2級以上の翻訳専門職資格証明書を取得しなければならい。


三、試験のお申込み条件

       該当資格試験は全社会に向けの専門職資格試験であり、中華人民共和国憲法と法律を守り、職業モラルを厳守し、一定の外国語のレベルに達したすべての者は、年齢、学歴、資格キャリアと身分を区別せず、皆相応する語種の2、3級試験に申し込むことができる。中国での就職が許可される外国籍の人および香港、澳門、台湾地区の専門スタッフもこれに申し込むことができる。


四、同試験の語種、グレードと類別

       同試験には英語、日本語、フランス語、ロシア語、ドイツ語、スペイン、アラビア語の7つの語種を設ける。各語種の試験はレベルの高低で1、2、3級に3つのグレードに分られる。その中、上半期に英、日、法、アラビア語の1、2、3級の通訳・翻訳試験を、下半期に英語の2、3級の翻訳、同時通訳およびロシア、ドイツ、スペイン語の1、2、3級の翻訳テストを行う。

       1級試験に応じて、比較的豊かな科学文化知識と比較的高い翻訳力を持ち、より広範囲の比較的難しい翻訳作業をこなせるし、翻訳作業における難問の解決ができ、重要な国際会議の通訳や訳文の最終審査・改正作業を担当できる能力が求められている。

       2級試験に応じて、一定の科学文化知識と良好翻訳力を備え、一定範囲内、一定の難度のある翻訳作業を担当できることが求められている。

      3級試験に応じて、基本的な科学文化知識と一般的な翻訳力を備え、一般の翻訳作業を完成できる能力が求められている。

      各言語別、グレード別に翻訳と通訳の2つに大きく分け、通訳は逐次通訳と同時通訳の2つに分け、現在、英語の2級は同時通訳試験しか設置していない。


五、試験科目、方法と時間

  総合能力の科目試験は主に受験生の基礎知識を考察し、試験問題は主として語彙、文法、閲読・理解、ヒアリング能力と空白埋めなどがある。実務的な科目は主として受験生の翻訳実務能力を考察し、主に外国語を中国語に、中国語を外国語に翻訳することである。


筆記試験

通訳試験



六、専門家チーム

同資格試験においては各語種に専門家委員会が設置されて、外交や外交事務、対外発信、報道出版、経済・貿易・科学技術、文献翻訳、翻訳の教学・研究などの分野のシニア翻訳専門家からなり、かれらは責任を持って、国家級の翻訳専門職人材の評価基準と試験要綱を制定するとともに、試験問題の出題、審査・見直し・採点などの過程で中核としての役割を果たしている。


七、同試験の沿革

2003年、英語の2、3級試験実施。

2004年、日本語、フランス語の2、3級試験の実施

2005年、英語の同時通訳試験実施

2006年、ロシア、ドイツ、スペイン、アラビア語の2、3級試験実施

2007年、7つ語種の専門家委員会の統一的な任期交代制度の確立

2008年、同資格証明書と翻訳修士教育とリンク

2009年、全国における通訳・翻訳試験会場設営の準備会議

2010年、オーストラリア翻訳専門職資格認可局(NAATI)とニュージーランド翻訳協会(NZSTI)訪問

2011年、延べ出願件数25万近く

2012年、英語の1級試験実施

2013年、その他の6種類言語の1級試験実施

2014年、「译路通」CATTI公式微博(中国版ツイッター)ファン80万以上

2015年、同資格試験とMTI(翻訳修士学位)教育とのマッチングフォーラムの催し

2016年、国内の主流メディアから10の黄金含有量(価値)の最も高い証明書の一つだと評価された

2017年、年間試験に申し込む者数が延べ15万を突破、計72万以上、証明書の取得者数が延べ9.8万以上、同資格試験は国家職業資格試験目録リストに組入れた。

2018年、年間試験の申し込む者数21万を突破、昨年同期比40%増。出願者数が延べ93万以上、延べ12.3万あまりの人が同資格証明書を取得した。


八、同試験の国際的影響力

同資格試験が急速な発展をとげ、国内外から高い関心を受け、毎年50ヵ国余りのインターネット利用者が同資格試験の公式サイトを通じて試験状況を調べている。国際翻訳協会主席劉崇傑がその調査・研究に北京に訪れ、同資格試験に対して高く評価した。メキシコ、オーストラリア、韓国、シンガポールなどの国家および我が国の台湾、香港地区の関係機関が相前後北京に来て、業務について交流した。我が国の翻訳専門家が何度も招かれて国際の重要な場で同試験を紹介した。2019年、中国外文局翻訳専門職資格評価(CATTI)センターとベラルーシ国立大学はベラルーシで同資格試験会場の設立に関する協力協定に正式に調印した、これは、我が国の翻訳人材評価の実りある国際化の第1歩を踏み出したことが示された。




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